船場ビルディングは大阪市中央区にある1925年(大正14)に完成した住宅及び事務所として建てられました。
船場ビルディングが完成した頃は、ビル周辺は木造住宅だったことから、当時としては珍しく地上4階、地下1階の建物でひときわ目立っていたビルのようです。
そんな船場ビルディングの外装は、タイル張りの普通のビルなのですが、中の設計には驚かされます。
そこで今回は、船場ビルディングの歴史や見学できるのかなどについてご紹介します。
船場ビルディングの概要と歴史
船場ビルディングは、1925年の大正14年に完成した住宅と事務所を併せ持つビルとして建てられました。
船場ビルディングの建物概要
船場ビルディングは、大正時代の雰囲気の当時の姿のまま現在も活用されているビルになります。
現在、国の登録有形文化財に指定されています。
船場ビルディング外観は、アール・デコ様式の比較的簡素なものですが、ビルの中に入ると機能性、構造性、装飾性に富んだ建物となっています。
ビルの歴史と構造についてご紹介しますね。
船場ビルディングの歴史
船場ビルディングは、かつて「大大阪」とよばれる大阪の経済の船場地域に職住一体型という、日本初ともいえる斬新なビルとして注目を集めました。
船場ビルディングは、1925年(大正14年)に建築家の村上徹一氏の設計で建築されました。
船場ビルディングは、船場の経済中心ということから、ビルの中までトラックや荷馬車を引き込むのに大変便利な設計となっています。
そのため消音効果も兼ねて床一面に木レンガが敷き詰められていました。
現在もほとんど形を変えず、テナントオフィスビルとして活用されています。
2000年に国の登録有形文化財に登録されています。
船場ビルディング入口にプレートがあります。
船場ビルディングの魅力ポイントは?
レトロビルとして知られている船場ビルディングのレトロな魅力をご紹介します!
- パティオ風中庭
- 木レンガ使用の床
- スクラッチタイルの外観
- 2階から4階の回廊
- 窓際のす
魅力ポイント:パティオ風中庭
船場ビルディングには、建設完成当時からの設計で吹き抜けの中庭があります。
当時は、大阪の経済の中心ということから荷物を乗せた牛や荷馬車がビルの中まで運び入れるために設けられました。
1階に荷物を下ろし、上の階へロープで引き上げていました。
中庭は効率良く荷物を上げるために造られていたようですね。
現在では、まるでスペインの住宅でよく見られる中庭のようで、とてもおしゃれな空間ですね。
魅力ポイント:木レンガの床
船場ビルディングの玄関先から中庭の床は、木レンガが使用されています。
木レンガの見た目はレンガのようですが、木目があり年月で変色で隣り合ったレンガでも少しずつ色が変化していてデザインのようになっています。
現在は、植物やベンチが置かれ吹き抜けの空間も素晴らしいです。
ヨーロッパを思わせる造りが素敵ですよね。
魅力ポイント:スクラッチタイルの外装
船場ビルディングも1920年〜1930年に流行したアール・デコ調のスタイルでスクラッチタイルを使用した外装が魅力です。
2〜4階はスクラッチタイルを使用し、上下には乳白色のタイルでシンプルなデザインとなっています。
スクラッチタイルは昭和初めに流行した外壁用のタイルです
スクラッチタイルは、櫛で引っかいたような細い溝の模様があるタイルで、原料に含まれる鉄分などの影響で赤茶色ものが多く、素焼きの素材感があります。
魅力ポイント:2階から4階の回廊
中庭を囲むように回廊となっています。
当時の4階は全てダンスホールとして使われていて、お部屋がつながっていました。
どの位置からも中庭が見ることでき、それぞれの部屋に外気が入る設計で照明、エアコンのような働きもあったようです。
船場ビルディングの見学は?人気のオフィスビル!
現在の船場ビルディングは、人気のテナントオフィスとして活用されていて、とても人気の場所となっています。
人気でなかなか空きがないそうですよ。
船場ビルディング見学できる?
現在はテナントとしてお店やオフィスとして使用されていますので、通常は見学はできません。
船場ビルディングを見学するには、事前の予約が必要で、平日の9時〜17時の間に見学が可能となっています。
予約は船場ビルディング公式サイトからとなります。
まとめ
今回は、大阪市中央区にある船場ビルディングの魅力についてご紹介しました!
船場ビルディングは、大正14年に住居と事務所として建築されました。
船場ビルディングの外観はクラッチタイルを使用したシンプルなものですが、内部は4階までの吹き抜けの中庭があるのが特徴です。
現在も、テナントオフィスとして活用されていて人気ビルとなっています。